①BMI(体格指数)
BMIは肥満の程度を示したものです。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)BMIの標準は「22.0」で、この数値にあたる体重を標準体重とします。
【日常生活上の注意】
肥満の方は、バランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しましょう。また、菓子類、清涼飲料水などは控えましょう。適度な運動が効果的です。体重測定を定期的に行い、自己管理をしてください。 やせすぎの方は、筋力を付ける運動としっかり食事を摂ることを心がけ、これ以上低下させないようにしましょうは控えましょう。適度な運動が効果的です。体重測定を定期的に行い、自己管理をしてください。
②血圧
【日常生活上の注意】
塩分の過剰摂取、肥満、ストレス、喫煙、運動不足、便秘など血圧を上げます。生活習慣を見直しましょう。
低血圧はめまい等の症状がなければ心配いりません。
③腎機能
<検査項目>
尿素窒素(BUN)・クレアチニン・尿糖
尿素窒素とクレアチニンは腎臓の働きを見るための検査です。数値が高くなると腎機能の低下が疑われます。尿の蛋白と潜血は健康な人でも体質や、激しい運動、発熱、ストレス等により陽性となることがあります。尿蛋白、尿潜血が共に陽性の場合は腎炎等の疑いがありますので注意が必要です。
【日常生活上の注意】
バランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しましょう。また寝る直前の夕食や、間食を控えましょう。運動の目安は1日60分歩くようにすることです。
④糖代謝
<検査項目>
血糖、HbA1c(グリコヘモグロビン)、尿糖
血糖検査は、糖尿病の有無を判断します。尿糖が出たからといって「糖尿病」というわけではなく、健康な人でも食事、ストレス、妊娠のほか、腎性糖尿といって先天的に糖の出やすい体質の人もいます。HbA1cは、普段の血糖値のレベルを表している検査で、採血日の食事の影響もないため、最近では血糖値とあわせてHbA1c値が糖尿病の指標として用いられるようになっています。
【日常生活上の注意】
バランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しましょう。また寝る直前の夕食や、間食を控えましょう。運動の目安は1日60分歩くようにすることです。
⑤貧血・血小板
<検査項目>
赤血球数(RBC)・ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット(Ht)・血小板数・血清鉄(Fe)「貧血」とは血液中の赤血球の数、又はヘモグロビン(血色素)の量が減少している状態をいいます。赤血球の中に含まれるヘモグロビンは、身体組織に酸素を運ぶ大切な役割があります。血小板は出血を止める働きをもち、減少すると出血を起こしやすくなるほか、肝臓障害の指針としても用います。
【日常生活上の注意】
鉄分、たんぱく質、ビタミンCを含め、バランス良く食べ、慢性的な出血(胃潰瘍、痔、月経量増加等)がないか注意しましょう。また動悸、息切れ、めまい、頭痛などの症状の出現に注意が必要です。多血症で喫煙をしている方は禁煙にトライしてみましょう。
⑥白血球
人間の身体には病原菌などにおかされた場合、身体を守るために白血球数が増えて病気に打ち勝つ働きがあります。身体のどこかに炎症があったり化膿していたりすると白血球数が増加します。
【日常生活上の注意】
タバコを吸う方は白血球数がやや増加していることがあります。喫煙者は禁煙に努めましょう。
⑦脂質
<検査項目>
LDLコレステロール(LDL-c)・中性脂肪(T-G)・HDLコレステロール(HDL-c)・総コレステロール(T-cho)
血液中のコレステロール値や中性脂肪値が高くなると、動脈硬化を促進して心臓病にかかりやすくなります。コレステロールには善玉と悪玉があり、HDLコレステロールは善玉と呼ばれ、動脈硬化の進行を抑える働きがあります。LDLコレステロールは悪玉と呼ばれ、動脈硬化を進めてしまいます。健康な方は中性脂肪が低値であったり、善玉コレステロールが高値でも特に心配いりません。
【日常生活上の注意】
食べ過ぎや油もの、お酒、糖分の摂り過ぎを避け、食物繊維などをうよく摂るようにしましょう。また、継続的な運動に心がけましょう。肥満を改善すると、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げられます。よく歩いたり禁煙ができると善玉コレステロールをあげられます。
⑧肝機能
<検査項目>
GOT(AST)・GPT(ALT)・γ-GTP・AL-P・ZTT・CHE・T-Bill・LDH・LAP・T-P・A/G比・HBs抗原・HBs抗体・HCV抗体
GOT、GPT、γ-GTPは肝臓の障害を調べる最も代表的な検査です。肝臓は沈黙の臓器とも言われ、自覚症状が出にくく、知らないうちに悪くなっていて、健康診断で初めて肝臓の障害を指摘される方も少なくはありません。肝臓病かどうかは、一つの検査だけでなく、いくつかの検査の組合せにより診断されますので、判定指示に従って下さい。なお、肝機能検査は脂肪肝でも上昇することがあります。HBs抗原はB型肝炎ウィルスに感染しているかどうかを、HBs抗体はB型肝炎に対する抗体があるかどうかを調べる検査です。HCV抗体はC型肝炎ウィルスの感染の既往を調べる検査です。
【日常生活上の注意】
お酒は控えめにし、一週間の中で休肝日を作ることをお勧めします。良質たんぱく質(大豆製品など)野菜、海藻類を摂り、肥満に注意しましょう。仕事と休養のバランスをとることが大切です。肝炎ウィルスを持っている方はお酒をやめましょう。
⑨尿酸
<検査項目>
尿酸(U-A)
肥満、多量の飲酒、たんぱく質の摂り過ぎや激しい運動などにより、血液中の尿酸値が高くなると尿酸が結晶化し、足の親指の関節などに激しい痛みをともなう「痛風」という病気を起こしやすくなります。痛風が出ていなくても、腎臓の働きが悪くなったり動脈硬化が進行しますので、尿酸値は適切なレベルを保っておくことをお勧めします。尿酸値が低値の方についてはあまり心配いりません。
【日常生活上の注意】
お酒を控え、食事は肉類に偏らないようにしましょう。肥満の解消、ストレスの軽減に努め、水やお茶などの水分を多めに摂って下さい。
⑩胸部X線(間接・直接撮影)
肺のレントゲン写真では、左右の肺やその中央部(縦隔)にある心臓などの病気がわかります。たとえば肺結核、肺炎、縦隔腫瘍等の有無がわかるほか、心臓や大動脈に関する情報なども知ることができます。
【日常生活上の注意】
喫煙者は禁煙にトライしてみましょう。
⑪心電図
心電図は、心臓が収縮する時に生ずる電位の変化を体表面から記録したもので、不整脈、心筋梗塞、心筋症、心肥大等の発見に有効です。狭心症は安静時の心電図に所見がないこともよくみられます。また、不整脈といってもいろいろなタイプがありますので、判定、指示を参考に、強い息切れ、胸の圧迫感、めまい、失神等の自覚症状に注意して下さい。
【日常生活上の注意】
血圧や血中脂質を正常に保ち、ストレス、寝不足、お酒、カフェインの摂り過ぎに気をつけましょう。
P 波 :心房の収縮を表します。
QRS波:心室の収縮を表します。
S T 波 :狭心症の時に変化します。
⑫胃部X線(間接・直接撮影)
胃の形や粘膜面の凹凸を、バリウムを使って写し出し、胃潰瘍や胃炎、ポリープ、胃がんなどを調べます。間接撮影は、胃の状態(胃液や粘液、胃の動き)や撮影条件で正確に写し出されない場合(疑似陰影など)もあります。それらを確定するために、次の検査として直接撮影や内視鏡検査を行います。
【日常生活上の注意】
禁煙に努め、辛いもの、カフェイン、炭酸飲料、お酒等の刺激性食品を控えましょう。ゆっくりよく噛んで食べて下さい。
⑬眼底検査
眼底は人体のうち直接血管を観察できる特殊な部位であり。糖尿病や高血圧による動脈硬化、あるいは緑内障などの診断に用いられます。変化の度合いにより判定が異なりますが、軽度の動脈硬化が疑われる変化「1」は加齢による変化でも見られます。
分類 |
意味 |
変化の度合い |
S |
動脈硬化性変化 |
|
H |
高血圧変化 |
|
Scott |
糖尿病性変化 |
0~5 |
※0は変化なし